
結局のところAIってなに?
今回はこういった悩みについてすこし詳しく解説していきたいと思います。
最近はあちらこちらでAIを耳にすると思います。例えば日常生活の中で使われるようになってきたAI、DXやITとして仕事で業務改善の中で活用されるようになってきたAIなどとたくさんあります。
AIという言葉が独り歩きしており、「結局のところAIって何なんだ」という方の助けになればよいと思っております。
詳しい中身は確かに難しいところはありますが、AIができることとできないことを理解するだけでも、ためになる知識になると思いますので、是非最後まで読んでみてください。
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AIとは

人工知能(AI)はとて学術的にAIは多岐にわたるため、学者によって捉え方が異なります。ここではひとまず、コンピュータが画像・音声・文字・数値データを認知・判断・行動する技術ということにします。
AIという言葉を耳にするとき同じように似たような意味を指す言葉として機械学習やディープラーニングという言葉を聞いたことはないでしょうか。
こちらの2つの言葉の違いはいったい何でしょうか?
機械学習はAIの一部であり、特定のタスクを行うためにプログラムを書くのではなく、字の通り「機械を学習させタスクを行うこと」を目的とします。
また、ディープラーニングは機械学習の一部であり、人の脳の仕組みを模擬したニューラルネットワークを何層にも重ねたものです。
簡単に言うと、AIを実現するための技術が機械学習と言えます。そして機械学習という技術の中にディープラーニングと呼ばれる手法があります。(AI > 機械学習 > ディープラーニング という関係性です)
図で見るとわかりやすいと思います。基礎知識として言葉の違いを理解しておきましょう。

AIの歴史

第1次ブーム 推論と探索
1950年代 人がゲームのルールを一つ一つプログラムに書くことで機械が推論と探索を行えるようになりました。機械学習アルゴリズムの基礎となる「パーセプトロン」が誕生しました。
当時はチェスで世界チャンピオンに挑戦するレベルまで到達できるものでしたが、ルールの中でだけ機械が動けるものでした。
1960年代後半には「パーセプトロン」の限界が証明されたことや、フレーム問題を指摘されたことによち冬の時代が到来しました。
フレーム問題とは「AIはフレームの中でしか問題を考えることができない」という問題です。
例えば、家の中に時限爆弾がバッテリーの上に置かれているとします。

ロボットに「家の中からバッテリーを取り出せ」と指令を出したとします。するとロボットは次元付き爆弾が載ったままのバッテリーを取り出してしまいます。

人であれば、時限爆弾は危ないので家に置いてきてバッテリーのみを取り出すということができますが、ロボットにはそれが理解できません。
世の中には時限爆弾以外にも他の2次的要素が考えられるので、「2次的要素も考慮して家の中からバッテリーを取り出すよう」に指令を出します。
すると、ロボットは家の中のバッテリーの前で立ち止まって動かなくなり、時限爆弾が爆発しました。

これはロボットは2次的要素として「バッテリーを持ち上げたら、家の壁が崩れるかもしれない」「隣のうちの夕ご飯はカレーかもしれない」など関係のないことまで考えるため、膨大な計算処理をしているうちに制限時間が来てしまいました。
人間はあるフレームの枠組み(問題に対して必要な箇所)だけ考えることができるので、他の関係のない要因は考えることなく爆弾は置いてバッテリーのみを家の中から取り出します。
人の常識をAIに組み込むことは困難で、現在は人が画像認識・信号処理といったフレームを与え、その与えられたフレームの中でAIは能力を発揮しております。
第2次ブーム エキスパートシステム
1980年代にはいるとエキスパートシステムと呼ばれるエキスパート(専門家等)の意志や知識をひたすら機械に教え込むものが発達しました。
しかし、エキスパートシステムは知識を詰め込むだけなので教えられたことしかできないため、間違った知識には弱いシステムとなりました。
試験前に徹夜でひたすら知識を詰め込みテスト挑みますが、勉強していた範囲が違ったためテストでは全く点が取れないというような感じです。
第3次ブーム ディープラーニング
2012年の画像認識コンペ(ILSVRC)でディープラーニングを使ったシステムが従来の結果より好成績を出したことで注目されました。
(ILSVRC:コンピュータに画像を見せて何であるか判別させるをAIの世界大会)
第1次、第2次では人がルールや知識などを教え、機械は覚えたことを実行するというものでしたが、第3次のディープラーニングは機械が自分で勉強するという仕組みのニューラルネットワークというものが開発されました。
実は、昔からニューラルネットワークは考えられていたが過学習が起きるため、良い精度が得られなかった。しかし、Dropoutという仕組みを作ることで解決されるようになりました。
簡単な例を用いて説明すると、機械に犬の画像を大量に覚えさせるとします。そのとき機械はたくさんの犬の画像から、耳は垂れていて、鼻は黒くて、毛むくじゃら、etc…といった犬の特徴を覚えます。


しかし、柴犬のような耳が立った犬の画像をみせると犬じゃないと判別してしまいます。
このように人は様々な特徴から犬と判別できますが、機械は教えられた画像から学習し特徴みつけるため融通がきかいないものになってしまいます。これを過学習といいます。
通学中にいつも使っている道が工事中だったとき、どうしますか?
別の道を使って回り道をしていくと思います。直結していた道をランダムに通れないようにするというのがDropoutになります。
先ほどの例でいうと、犬である特徴(耳の形、鼻の色、毛並みなど)のうちどれか一つを使わないで犬というのを認識できるように学習ということです。先ほどは耳の形が立っている柴犬は犬と認識できなかったですが、Dropoutにより耳の形の特徴以外でも犬のことを考えるようなAIができるようになります。
したがって、Dropoutにより過学習が解決されるということです。
AIにできること

AIができることは画像認識や音声認識といった識別と売り上げの予測や関連情報からのニーズを見つけるといった予測になります。
日常生活で皆さんが触れているAIの代表的な例をみてみましょう。
- Google/翻訳
- Apple/Siri
- Netflix/キャスティング
- Amazon/レコメンド 等
ほぼすべて使ったことがあるアプリケーションだと思います。AIと聞くと自動運転やロボットなど近未来的なものを考えがちですが、これだけ日常生活の中にAIが溶け込んでいます。
たとえば、Siriに「今日暑い?」と聞いたとします。そうするとSiriは現在地情報から天気や気温などの情報を教えてくれると思います。
これは人が「今日暑い?」という質問の背景には天気や気温のことが知りたいという意図を認識して情報を教えてくれていることになります。
意図を理解できていないと「今日暑い?」と聞いたときにSiriは「そうですね。」としか返してくれないかもしれないです。
AIにできないこと

AIは強いAI(汎用AI)と弱いAI(特化型AI)の2つに大きく分類されます。
- 強いAI(汎用AI)
幅広い知識で人間の知能に迫るようになり、自意識を持って人間の仕事を行う。
例)ドラえもん、鉄腕アトム - 弱いAI(特化型AI)
幅広い知識は必要とせず、ある分野において問題解決や推論を行う
例)画像認識、自然言語処理
強いAIとはSFやアニメの中で出てるドラえもんのような人の意図を理解し、会話をし、行動をするといったあれもこれもできるロボットを指します。
しかし、フレーム問題とシンボルグラウディング問題という2つの大きな課題があるため強いAIを現在の技術では作ることができません。
縞模様と馬という概念を知っている人が「シマウマという縞模様のついた馬がいる」と聞き、初めてシマウマを見てもそれをシマウマと認識できます。

しかし、AIは「縞模様のついた馬」という記号とシマウマを結び付けることができません。

人は縞模様と馬という概念を経験によって蓄積し、そのうえで新しいものを認識できますが、AIは独立した知能のため、経験が蓄積できないためです。
まとめ

今回はAIについて解説させていただきました。
今では日常生活の中で当たり前のようにAIは活用されておりますが、まだまだドラえもんのような「なんでもできるロボット」は難しいということを理解していただけたでしょうか。
しかし、ある分野に特化したAIは人をも凌駕する能力を発揮しているのも事実です。例えばAlphaGoという囲碁AIはプロに勝利したいうものがあります。
「AIによってなくなる仕事」というのが話題になっておりましたが、説明したようにまだ汎用ロボットは作ることができないので複雑な作業はAIにはできません。
なので、すべてがAIに仕事を取られるわけではありません。
自分の行っている業務の単純な作業があるとするなら、それをAIに行わせることで業務効率化を行うことができます。このようにある分野に絞ってうまくAIを活用していくことが大切になります。
悲観的に考えるのではなく、AIができることをうまく利用してAIと共存できる社会・生活を目指すことを考えましょう!
農家さんがAIと共存して仕事を行っている実績がありますので、ご覧になってみてください。
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